サイパン
今度3連休あるなあ。何しよっかな?って気楽に考えて決めたのがサイパンだった。
サイパンだとノースウェストの夜便利用なら3連休でも中2日ダイビングできるからね。
この時旅行自身思いついたのが出発3日前、チケットゲットが出発2日前という、ウルトラC的な即決即断即旅行でした。
今回は下の日程を見てもらえば、なんだこの日程は?と思われるでしょうが、それは読んでのお楽しみってことに。
では画面をスクロールしてね。
1日目 名古屋(20:00)〜成田(23:00)NW077便 成田滞在
2日目 成田(10:20)〜サイパン(14:20)NW0076便 サイパン滞在
3日目 サイパン滞在
4日目 サイパン〜名古屋 NW0078便
1日目
空港早く行っても何もすることもない。のんびりでかけた。
空港到着して出発案内板を見たら、俺の乗る飛行機の出発が20分早くなってるやん。前回マニラ便を利用した時もそうだった。
いつもギリギリの俺にとってはドエライ問題だ!
NWよ、何故早くする!!
チェックインカウンターに着いた時には、手続きギリギリやったぞ。ホント。
飛行機は定刻より20分早く出発。水平飛行に入って、まずは飲み物のサービスが始まり、後方からいいニオイが漂い始めた。
もうすぐ飯だなあって思ってたら、すぐ斜め前の人がなんだか騒がしい。
んっ? どうしたんだ?って見ると、
えっ!?
あの外人、変なダンスしてるぞ! んっ? いや違うぞ。 ケイレンだ!
たとえは悪いかもしれないけど、ちょっと変なブレイクダンスをしているみたいに見えるんだ。
しかし、目はマバタキを一切せずに、見開いた状態。素人目に見てもやばそうなのが分かる。
キャビンアテンダントの声にも、もちろん応答なし。
すぐに機内放送が
”只今、乗客のお一人が気分が悪くなっております。
お客様の中にお医者様がお乗りになられておりましたら、至急機体後方40番座席へお越し下さいませ”
おいおい、あの動きにあの目。身体中から大量の冷や汗。
どう見たって気分が悪いどころの状態じゃねえだろう。
で、看護婦らしき方登場!
”とにかく酸素を!”って叫ぶ。
緊急セットなるものは、機体後方に用意してあるんですね。
たまたま、患者が機体後部にいたので、すぐに準備ができるはずなのに酸素ボンベが外れない!
看護婦さんも
”早く”って言い、かなりのあせり顔。
それにしても緊急用酸素ボンベがすぐに外せなくなってるなんてどーゆう事?
俺の隣の外人のオバチャンが
”もしかすると彼は持病があってカバンに処方箋か特別な薬を持っているかもしれない”って言う。
そっか。で、彼のカバンの中を探すが、これといったものは見つからない。
”ペンダントかネックレスしてない?”
よく心臓病の人はネックレスでニトロを持ち歩いているもんね。
結局何も出てこなかったが、よく、このオバチャンは機転がきく人だ。
どーにかこーにかしていると医者登場!!!
それにしても乗っているもんやね。
背は低くて、ちょっと小太りな医者で、救命病棟24時の江口洋介が演じる進藤先生みたいな見た目のカッコよさはないが、
やっぱこのシチュエーション。
かっこいいぞ!がんばれ!
俺も言ってみてー”医者ですがどうかいたしましたか?”なんてね。
医者はミクロネシア人だろうか?この非常時にもニコニコ笑顔を絶やさないクールなガイだ。
その時名古屋を離陸して既に1時間以上は経過していた。
途中、方向的に空港のある島は思い当たらない。どーするんだろうと思っていたら、機内アナウンスがながれた。
”キャプテンです。申し訳ございません。当機は緊急のため名古屋に戻ります。”
機内は”えぇ〜!!”のブーイング。
確かにこの状況を見てない乗客の気持ちは分かるけど、俺の目の前で起きている事を見ていると、
とにかく助かってくれとタダタダ願うのみだ。
医者が点滴を打ち始め、患者のケイレンの間隔が長くなり、動きそのものも小さくなり、少しは落ち着いてきた様子。
にしても、名古屋って空港9時までじゃん。
どう考えても今から間に合うはずないんじゃねえのか?
緊急事態だから、着陸許可が下りるのかな?ってスチュワーデスと話てたら、
”キャプテンです。当機は成田空港に向けて飛行します。”
やっぱり名古屋は無理かあ、って思っていたら続けてこんなアナウンスが、
”成田空港は11時が門限となっております。11時前に飛びたてるなら、再度サイパンへ飛行。
間に合わなければ、成田にて1泊して頂く事になります。”
チラッと見える窓の外には街の明かりが見えてきた。あーもうすぐ成田だ。
その時患者が吐きそうな気配。目は半分見開いたまま。もうちょっとだ。ガンバレ。
無事空港にランディングは22:50。
10分以内に全てを済まさないと今夜のサイパン行きは不可能になってしまう。
滑走路に救急車が横付けされ、機体後ろの緊急ハッチが開かれ医療スタッフが乗り込んでくる。
身体中にいろんな物を取り付けた後に、緊急ベッドで運び出されて行く。
その間に今回使用された、緊急用酸素ボンベ、緊急治療セット等を新たに搬入。
時計は11時を回った。それから2、3分後だろうか、
”本日は誠に申し訳ございません。ノースウェストスタッフ一同全力を尽くしましたが、門限に間に合いませんでした。”
”只今より、皆様方のホテルを手配いたしますので、今しばらく機内にてお待ちください。”
あ〜あ、やっぱ駄目だったか。それから20分ぐらいだろうか。
”皆様のホテルが1ヶ所にてお取りすることが出来ました。ただいま入国審査の手配を行っております。今しばらく機内にてお待ちください。
おいおい、どうせならこんな狭い機内で待たせずに、空港内で待たせてくれてもいいんじゃないの?
さらにしばらくして
”お待たせいたしました。只今から皆様をホテルへお連れ致します。”
イミグレへ向かう通路には、
”ようこそ日本へ”とか
”お疲れ様でした”とか非常に皮肉な看板が取り付けてある。
イミグレでは入国のスタンプが押されるのではなく、名古屋を出たときの出国スタンプの上に無効のスタンプが押される。
(パスポート写真の左下のVOIDスタンプ。貴重です!)
名古屋にて預け入れたカバンは出てこない。俺は全て機内持ち込みなのでいいけど。
空港は既に閉まっているから、明かりは最小限だし、空港内のアナウンスやBGM、人々の雑踏がしないガランとした空間に包まれる。
その中で極少数の人数が地上スタッフと言い争いをしていた。静かで広大なロビーだから響く響く。
”なんで成田なんだ?! 羽田や関空なら24時間だから折り返しサイパンへ行けたじゃないか?!”
う〜ん、確かにそうだよなあ。あれだけ怒っているんだから、よっぽど重要な用件があったのでしょう。
でも、しょうがないんじゃないの?
2000マイル程のクーポン券をもらい、バスに分乗してホテルへ向かった。
泊まったホテルは東急エクセルホテル。とっても立派で俺にはとても似合わないホテル。
ただで泊まれてラッキー。
それにしても一気に150人近くの客が泊まれるって、このホテルどんな稼働率なんだ。
夜中の1時くらいにようやく晩飯。
ステーキだあ。貧乏人の俺は狂喜乱舞(誇張気味(笑い)。
翌朝は10時くらいのフライトだって。
これで明日はダイビングは出来なくなってしまった。
ネットで現地のダイビングショップにメールを送って寝ることにした。
2日目
朝食を食べてNWが用意したバスにて空港へ向かう。
ここで昨日何故成田に戻ってきたのか予想がついた。
仮に昨晩成田以外の空港に戻っているとNWは、この機体を使ってサイパンに飛ばなくてはならない。
でもここ成田からはもともと朝10時にサイパン便がある。
しかもガラガラ。これに昨日の名古屋からの乗客を乗っけてけば、NWは一回飛行機を飛ばさずに済む訳だよね。
さすがNW。乗客のことより利益優先。
NW(North West)ノースウエストがNW(North Worst)ノースワーストって呼ばれる所以を垣間見た様な気がする。
搭乗口にて名古屋からの乗客は昨日のお詫びとして1年間有効の25000マイルが貰えた。
これってサイパン無料往復航空券と一緒じゃん。
やったー!
今回飛行機は無事サイパンに3時頃に到着した(当たり前か)。
スチュワーデスさんに昨日の人助かりましたか?って聞いたら
”ええ、大丈夫ですよ。ほら、あそこに、いらっしゃいますよ。”
ええぇぇぇっっっ〜〜〜〜!!!!
そうです。もう死ぬんじゃないかとハラハラドキドキさせてくれた本人そのものが、今日のフライトにも乗っていたなんて超ビックリ!
昨日成田で怒っていた客はゴルフバッグをかついで出てきた。あんなに怒っておきながら、あんたゴルフかよ!
サイパンに来る人なんて大半がツアー客。添乗員が次々と人々を運び去る。ツアーはこーゆう非常事態にもすぐ対応しやがるなあ。
現地に直接ネットで頼んだ俺は昨晩ネットにてメールでフライトが変わったって送ったんだけど、迎えが来ねえ。
まあ、こーゆうのが旅行でしょ。とりあえず電話する。
しばらく空港でボンヤリしてたら、きたきた。
”オォッ〜、ソーリーソーリー! ユー ガクルノ バン ダト オモッタヨ”(もちろん英語ね)。
おいらの泊まるホテルはガラパン地区というサイパン一の繁華街??にあるキャピタルホテル。
3階建ての超超高級ホテルだ(冗談(笑)。
どーせ今日は何にもできないんだからってことで町をぶらつくことにした。
とりあえずは、町の概要を掴むために本物の超高級ホテルの最上階から島を見ることにした。
ガラパンはサイパン一の繁華街なのになんか寂しい雰囲気。グアムのこじんまり版だ。
アジアの雰囲気が大好きな俺には.....。
ここでジョリービーを発見。くわしくは フィリピン(アポ、バリカサグ)編を。
3日目
ようやくダイビングができるぞ〜〜〜。
1本目 グロット あのグロットだ。世界でも1、2を争う地形のスポットらしい。
楽しみだあ。
ただしビーチスポットにもかかわらず、波風に弱い場所なので、なかなか入れないって。
昨日久々に行ったけど、今日はどうかなあだって。
頼むから行けてくれぇ!オイラには今日1日しかないんだ!現場へは車で20分くらい?
上から見ると波が岩にガンガンあたる時があるけどオッケーそうだ。
階段を降りて下へ行くと波がちょっと怖い。タンク背負ってるし、滑って岩に打ちつけられたら怪我するんだろうな。
洞窟から見る外の青はとっても神秘的。透明度は30mオーバー! いいねえ。見えた魚はバラクーダ1匹、
カスミチョウチョウウオ、カエルウオ、フグ等ですが、この地形におおいに満足。
エグジット時にも波があり、岸に上がるのにタイミングが必要です。
その時洞窟入り口にはツアーの見物客が30人近く来ており、たまたま鼻血ブーになった俺は、とってもこっ恥ずかしかった。
帰りの階段は一気に登るにはチョットきついかな。
一度ショップに戻ってきて、昼飯を食べて休憩。
2本目 イーグルレイシティ 他のショップの人達と相乗りのボートで出発。
ボートで10分ほどで到着。エントリーすると思ったより流れがある。設置してあるロープづたいでないと流されてきそー。
着底後は砂地に手を差し込んで地面を這うように進んでいく。見えてきました、見えてきました。
右手の岩の上にマダラトビエイが群れています。
流れがあると、ここに群れているそうなので、今日は絶好のコンディションのようだ。
透明度は下が砂地のために良くはない。って言っても18mくらいはあるかな。
群れを刺激しないギリギリの所まで進み、写真を撮りまくってやった。
すっげえぞ〜〜〜!!
1ヶ所でこんなに写真撮った事、記憶にねえ。
トビエイの数はざっと30〜40匹。イーグルレイシティの名前は伊達じゃねえ。
しかし、じっとしているので水温28度にもかかわらず、3mmウエットスーツは身体が冷えてくる。
最後の方はあまり動きがないトビエイに少々飽き気味。
(おいおい、なんてゼイタクなこと言ってるんだ!)
そんな時イントラがタコを捕まえたので、それで遊ぶ。
(目の前にでっかいトビエイの群れがいるのに!)
ボートに帰るときは流れがフォローだったので楽チン楽チン。
いやあ、楽しかった。
一度岸に戻り水面休息。冷えた身体にサンサン太陽を浴びせまくる。
3本目 沈船 あ、浅いなあ〜〜。
最大水深なんと9.4m!
こんな水深はオープンウォーターの講習以来のような気がする。
おかげで、ダイコンに安全停止のサインが始めて出なかった。10m以浅だと安全停止しなくてよかったんやね。
さて、ポイントですが、ちゃんと沈船って感じがしていますよ。
なにしろ水深が浅いから太陽の光がしっかり届いて、気持ちのいいダイビング。
アカヒメジにヨコシマクロダイの群れ。
ここも下が砂地のために透明度は18mくらいでしょうか。
ログ付けをするためにショップへ戻ってきた。
今回一緒に潜った人の中で、かつて潜水病になってしばらくの間腕が痛くてかなわなかったっていう人がいた。
理由がダイビングしてから24時間あけずに飛行機に乗ったからじゃないかって話だけど、
俺なんて、そんなのしょっちゅう!
今回話を聞いて、潜水病を舐めちゃあイカンぜよって思ったね。
さて、今回利用させてもらったショップには有名人の写真が張ってありまして、酒井法子、浅野ゆうこ、ナインティナイン、
西田ひかる(←んっ?彼女の写真は別のショップだったか?)他、数人が訪れているみたいでした。
4日目
今日はただ帰るだけ。朝ホテルの周りをぶらぶら散歩をし、飛行場へホテルのオーナーに送ってもらう。
チェックインカウンターには異常に長い行列!相変わらずチェックが厳しいためになかなか前へ進まへん。
かなり行列を並んだ後にNWスタッフが俺のチケットを見て、どうぞこちらへって。
e−Ticketで預け荷物がない人は別カウンターでチェックインできるのだった。
もっと早く知らせてくれ〜〜〜!>
おまけにe−Ticketによりコンピューターにてチェックインすると1000マイルもついてくる。
列に並ばなくていいし、マイルももらえるなんてe−Ticket万歳!!
帰りの飛行機は何事もなく離陸し、何事もなく名古屋に着陸した。
今回は飛行機が日本へカムバックするというとんでもない事態に巻き込まれちゃって、1日しか潜れなっかたけど、
どても充実した3本だったぜ。